オフィスを借りる際、「賃貸借契約」と「施設利用契約」でどちらがいいのか迷うことはありませんか?この2つの契約は、似ているようで実は内容にかなり違いがあります。
借りるオフィスをどう使うかによって、どちらが会社にとってメリットのある契約なのかを知っておくことが大切です。こちらでは、そんな2つの契約の違いについて説明します。
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“アパートを借りる”のが「賃貸借契約」、“ホテルに仮住まいする”のが「施設利用契約」
一番簡単に説明できるのが、「アパートを借りるのが賃貸借契約」「ホテルに仮住まいするのが施設利用契約」という例えです。
アパート(オフィスビル)内の部屋(オフィス)を借りるのが賃貸借契約です。中身が空っぽの状態の部屋(オフィス)を借りて、自分たちで使用できるよう机や椅子などを整えます。
部屋を〇年借りますというれっきとした賃貸契約なので、借地借家法が適用されます。
ホテル(オフィスビル)という建物の中の部屋(オフィス)に滞在するのが施設利用契約です。既に使用できる状態の部屋をそのまま借りて、使ったらそのまま返すという、ホテルなどの宿泊契約と同じような解釈をされるので、厳密には賃貸借とはいえないという考え方もあります。
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借主の立場が強いのが「賃貸借契約」、貸主の立場が強いのが「施設利用契約」
賃貸借契約は、借地借家法が適用される正式な賃貸借の契約です。そのため、正当な理由がなければ貸主が一方的に契約を解除したり、更新を拒否することができません。借地借家法は借主を保護することを目的として作られた法律なので、借主の権利が強化されているのです。
そのため、賃貸借契約は“借主”の立場が強くなります。
対して、施設利用契約はホテルや旅館などの宿泊契約(約款)に準じるという規定のところもあります。簡単に言えば「部屋を一時的に貸すので、貸主の決めた契約内容に従って使ってください。守らないときはすぐに出て行ってもらいます」という感じです。
もちろん法律などで借主の権利が保護されていないため、貸主が一方的に契約の解除や更新の拒否をすることが可能です。
そのため、施設利用契約は“貸主”の立場が強くなります。
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移転に伴う初期費用でみる「賃貸借契約」と「施設利用契約」の違い
賃貸借契約の場合、入居にあたって仲介手数料や保証金、礼金などを納めることになるのですが、平均して賃料の5カ月分~10か月分ほどのお金が必要になります。
たとえばひと月の賃料が30万円のオフィスの場合、150万円~300万円ほど初期費用がかかることになります。
対して、施設利用契約の場合は契約の手数料と保証金、翌月分の賃料程度の初期費用で済むため、賃料の2カ月~3カ月ほどの負担で借りることができます。
初期費用をできるだけ抑えたいという場合は、施設利用契約のほうが有利でしょう。
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オフィス移転の状況別にみるおすすめ契約
どのようなオフィス利用をしていくかによって、どちらの契約がおすすめかが異なります。
その場所で長くオフィスを構えて生きた場合は賃貸借契約を結ぶほうが後々のためになります。
対して、短期間のみオフィスを構えたい場合や、少人数で利用できるスペースがあればいいような場合は、施設利用契約のほうがフレキシブルに利用できます。
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