オフィスの平面図を見ていると、いろいろな略語が記載されています。EPS・PS・IDF・MDF等。何となくわかるけれど、きちんと知っておきたいという方のために、今回は主にEPSの解説をいたします。オフィスを借りるにあたり、すべての疑問は事前に知ることが望ましいことですよね。ひとつずつ知識をつけ、最良のオフィス探しに役立ててくださいね。
EPSとは、Electric Pipe Space /Shaft(エレクトリック パイプ スペースまたはエレクトリック パイプ シャフト)の略で、電気の配線や配管を通すスペースのことです。外部から引き込まれた電気を分電盤や制御盤につなぎ各フロアまで通すために、コンクリートスラブの場合は、あらかじめ縦方向に上下階をつなぐ配線や配管を通すスペースを開けておく必要があります。EPSは基準階面積の1~2%の面積が必要です。
PSは、Pipe Space(パイプ スペース)の略です。2階以上のフロアにレストルームや洗面・キッチンなど水廻りが設けられている所では必要になる生活給排水設備の配管スペースです。こちらもEPSと同じように、あらかじめ縦方向に上下階をつなぐパイプのスペースを開けておきます。EPSとの違いは配管の径が太いのでEPSよりスペースが必要なことです。レストルームなどの排水管は75mm以上もあります。ビルやマンションの建設は設計図と設備図を基に施工するのですが、構造体に埋め込む配管が図面から漏れていた、または位置がずれていたということで、やむなく全体の解体をしたというトラブル事例もあるようです。
EPSはすべての建物に必要なわけではありません。小規模な木造住宅などの建物ではEPSはあまり重要ではありませんが、鉄筋コンクリート造などの床スラブがコンクリートの場合は設備シャフトのプランニングが必須となります。EPSは事務所ビルの場合、500㎡~700㎡ごとに1ヶ所必要です。設置場所は幹線や分岐回路配線の出入りがしやすく、負荷がかかる照明やコンセントの中心付近に設置するのが最適。また電気は電線から地中に埋没した管を通して電気室(受変電設備)にて電圧を下げた後、各フロアに配電されるため、EPSは電気室の真上かその付近に設置されるのが望ましいようです。
その他、オフィス図面によく出てくる略語を挙げてみました。
・DS……ダクトスペースのこと。換気や空調のためのダクトを通すスペースのことです。
・AD……エアダクト(通風管)のこと。24時間換気システムや空調設備の温・冷風を通すためのパイプのことです。エアダクトはDS(ダクトスペース)内に収納されています。
・MDF……Main Distributing Frame(主配線盤)の略です。建物に入ってくる電話回線を一箇所にまとめて管理する設備。MDFから改めてIDFへと分配されます。
・IDF……Intermediate Distribution Frame(中間配線盤)の略。MDFから更に分配して各階に振り分けるために設置する中継のための盤のことです。
いろいろなことが分かってきたら、図面を見るのも楽しくなるかもしれませんね。大切なオフィスですから、経営者として隅々のことまで理解しておくことは大切なことです。オフィスやオフィスビルの仕組みなどを理解することが、自社に対しての思い入れを増し、会社や社員を大切にする気持ちにもつながることでしょう。しっかり図面を理解し、最適なオフィスを見つけてくださいね!
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