ひとくちに「ビル」と言ってもさまざまで、オフィスビルにはそれぞれの用途に適した建物構造というものがあります。たとえば天井高や床荷重、そして耐震性や遮音対策など。ただ外見だけに固執していると、大切な構造面のメリット・デメリットを見逃すことにもなりかねません。ベンチャー企業経営に最適なオフィスビルの建物構造とはどんなものなのでしょうか。
オフィスの建物構造というと、木造なのか鉄骨なのか鉄筋なのかという構造そのものに着目しがちです。しかし、実際に空間を使用する立場からすると、意外と気になるのが天井高。建築基準法によると、居室の天井高は2.1m以上必要とされています。オフィスビルの天井高は、年を追うごとに高くなってきてはいますが、それでも低めに設定されていることが多いです。オフィスの天井が低いと、圧迫感があります。坪数にもよりますが、最低でも2.5mある方が快適な仕事空間を作ることができるでしょう。一般に、床面積が広ければそのぶん天井を高く設定することが望ましいです。
建築基準法施行令第85条において、オフィスの床荷重は2,900N/平方mと定められています。床荷重とは、1平方mあたりの床が耐えられる重さのことです。オフィスビルに関しては、400kg/平方mくらいが一般的です。サーバールームのように荷重が大きくのしかかる部屋を想定している物件も、最近ではよく見られるようになってきました。ヘビーデューティーゾーンと呼ばれるエリアは、荷重を800kg/平方mまで高く設定しています。また、業種によっては、グランドピアノに代表されるような重量のあるものを一部屋に複数台置く必要も生じるでしょう。その場合は、床を補強して対応することになります。
耐震性といった側面からオフィスをみた場合、その評価は構造設計によって決まります。建物構造が、たとえ鉄筋コンクリート造であっても、部材寸法によっては木造よりも脆弱な建物になってしまう場合があります。つまり、建物構造をみていても、耐震性は計ることができないということです。耐震設計や免震構造などで構造設計がきちんとなされていることこそ大切です。また、木造であっても、耐震壁や筋交などで地震に耐える設計を実現できます。2007年以前に確認申請の降りた物件は、建築基準法改正後の厳しい審査条件をパスしていますので安心感があります。
遮音性について考える場合、まずは建物構造に目を向けてみましょう。建物構造を大別しますと5種類になります。木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、そして鉄筋鉄骨コンクリート造です。この中でもコンクリートを使った最後の2構造が遮音性に優れています。建物の遮音性は結局のところ、壁や床の厚さなどによって左右されます。つまり、鉄筋コンクリート造、または鉄筋鉄骨コンクリート造であったとしても、それだけでは安心できません。一般に防音対策が施されている部屋は、壁の厚みが20cm以上あります。もし、遮音性の高いオフィスにしたいのであれば、この20cm以上を目標にして物件を探すとよいでしょう。
賃貸オフィスを選ぶ際に気をつけたいポイントを、建物構造に着眼点をおいて述べてきました。天井高も床荷重も、そして耐震性や遮音性も、書類上の数値を見れば平均的であるか、また何らかの問題が生じていないか把握することはできます。しかし、数字上は規定を満たしていて問題なく見えたとしても、たとえば床面積に対して天井高が低めに設計されていると、仕事をしている間に窮屈に感じるようになるかもしれません。オフィスを選ぶときには、まずは実際に足を運んでビルや室内の雰囲気をじっくりと見ておきましょう。また、鉄筋コンクリート造であっても、壁の厚みが薄いなどといった細かいところにも目配りして慎重に物件選びをしたいものです。
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