オフィスで火災報知器が作動した場合、どうするの!?

閲覧数:10,111     更新 2016年10月26日更新
複数のテナントが入っているオフィスビルでは、一番恐ろしいのが火災ですね。火災報知器が鳴っていても火元がどこかわからない場合、誤作動かもしれないなんてのんびり構えてしまうことが多いと思います。今回は火災報知器のお話しをしたいと思います。火災報知機のことを知り、万が一の火災に社員全体で備えるようにしましょう。

自動火災報知設備とは

自動火災報知設備は、感知器を用い火災により発生する熱や煙を自動的に感知して、受信機・音響装置を鳴動させ、建物内に報知。これにより避難と初期消火活動を促すために設置されます。火災発生時には、火災地区がランプで表示されるので、どれほど広いビルであっても火元が一目でわかり、避難誘導や初期消火がすぐに可能になります。新宿歌舞伎町雑居ビル火災をきっかけに、大幅に消防法が改正・強化され、延べ床面積300㎡以上の雑居ビルや地下階または、3階以上の階に特定防火対象物(不特定多数の人に利用される施設など)がある建物には設置が義務付けられるようになりました。

感知器・受信機の種類

感知器の種類は大きく分けて3つ。熱を感知するもの・煙を感知するもの・炎を感知するものです。レストランなどの施設の厨房は火を使って調理するので高温になり煙も出ますから、熱感知器や煙感知器は使えません。またボイラー室などの高温になる場所では熱感知器は使えません。場所によって何を感知して火事とするのか、変える必要があります。以前は調理場などは、火災報知器自体が設置できなかったようですが、最近は炎から照射される紫外線の量が一定の値を超えると感知され警報を発する感知器があります。
受信機の種類はP型・R型・G型・GP型・GR型などがあり、防災センターや中央管理室に設置されます。

自動火災報知設備利用の注意点

自動火災報知設備の設置にあたっては、甲種第4類、点検整備においては甲種、または乙種第4類消防設備士という国家資格か、消防設備点検資格者の資格が必要です。点検は消防法で規定されており、半年に1度の点検が必要です。ビル側からの点検には快く応じ、しっかり点検してもらうようにしましょう。もし誤作動が起きた場合は何が原因で誤作動を起こしたのか原因を調べてもらい、感知器の種類を変えるなどの措置を取ってもらいましょう。誤作動が続くと本当に火事のときには大変なことになります。

社内での防火管理体制を構築しておく

火災が発生し火災報知器の警報が鳴ると、ビルに常駐の管理員や警備員がいる場合は、館内放送などで、避難指示がありますからその指示に従えばいいのですが、常駐警備員がいない場合はどうなるでしょう?ビル内のテナントがそれぞれで判断し行動を起こさなければなりません。こんな場合は防火管理者が率先して、社内全員に指示を出さなければなりません。火災発生時に確認することは、まず火元がどこなのか、そして大声で皆に知らせ、避難誘導をします。消防に通報し、まだ火災が初期なら初期消火も必要です。このようなことを、いざというときに確実に行えるように社内で役割分担し、普段から火災に備えておくことが重要です。
複数のテナントが入っているビルでは社内の防火管理体制の構築だけでなく、防火管理者はビル全体の防火管理体制がどのようになっているのか確認し、社内での消防計画を定め、社内に通知徹底させましょう。防火管理者は火災時には社員の安全を守る責任の重い役割です。しかしながら火災はいつ発生するかわかりません。常に気持ちを引き締めておくことも大切ですね。
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