賃貸でビルに入居していた場合、ビルの建て替えによる立ち退きを求められるケースがございます。
そんな場合、まず1番最初に確認しなければならないこととしましては……
定借の場合で、期間の満了とともに立ち退きを求められた場合は、立ち退き料等の交渉をすることが難しくなります。
契約上、契約期間満了と同時に終了することに正当性があるからです。
ただし、定借の場合でも、
契約期間満了前の立退きを求められている場合は、下記の普通借の場合と同様の交渉が可能になる場合がございます。
また、契約満了日(立退き日)が大分先の場合は、途中解約は可能かどうか? のご確認もされておいた方が良いでしょう。
もし、移転先を探すとなった場合に、契約満了日まで退去できないとなると、移転先の物件の選択肢の幅が狭まるからです。
※二重賃料期間に糸目をつけなければ問題ありませんが……
また、期間の満了まで居た場合、建替えなので、原状回復工事を免除してもらえないか、交渉をされた方が良いでしょう。
※例え建て替えでも、定借期間満了による終了ですので、契約書に則って原状回復の義務を免れない可能性もございます。
普通借の場合は、正当事由が無ければ貸主側から契約を解約することは出来ません。
賃借人は借地借家法により保護されているためです。
建替えによる立退きも正当事由ではありますが、建替えるから立ち退いてくれ、と一方的に追い出すことは過去の事例からしても難しく、何らかの補償があって初めて認められるケースがほとんどです。
補償内容はビルによっても違いますし、同じビルでも賃借人ごとに違う事もございます。
※そもそもの契約内容が同じビルでも賃借人によって違うためです。
まずご確認いただきたいことは、
・解約予告期間が何ヵ月前予告なのか? をご確認ください。
■立退きの補償内容で確認したいこと、場合によっては交渉したいこと
・原状回復義務は免除で良いか?
・解約予告期間を短くすることは可能か?
・補償のお金はどれくらい出してもらえるのか?
(引っ越し費用、内装造作費用、仲介手数料、賃料が上がる場合の一定期間の差額分、移転プロジェクト人件費)