いつも通り仕事をするために出勤をして、通常業務をこなし、オフィスから退社する。こんな当たり前のようなリズムが崩れるときといえば、どんな事を想像しますか?
最近日本各地で起こっている大地震や浸水。そういった不可抗力であっても、オフィスはおろか、事業自体が危険にさらされることがあります。
事業を行う者の責任としてのリスクマネジメントを、オフィスにおいても考えておきましょう。
BCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字をとったものです。日本語でいえば、「事業継続計画」です。言い換えれば、いつ、いかなる状況においても、主要ビジネスを止めることなく、通常通り進めることのできる状態を作っておくことを指します。
ビジネスを進めていく上で、オフィスの存在は無視できませんよね。もし、災害などによってオフィスが危険にさらされた時、慌てることのない対策を立てておくことが必要です。
ビジネスの根幹は、世にサービスを提供し続けることです。その提供が止まってしまうことで、被害を受けたり、不便にさらされる方がいることを認識しておくことが大切です。
「防災訓練や対策をしているけど、それではだめなの?」という方もおられるかと思います。オフィスにおけるBCPは、防災とは別物で考えておくとよいでしょう。防災は、人命を守るためにとる対策であることに対し、BCPは、「事業を守るための対策」です。
それでは、オフィスのBCPを考えていく上で必要な、バックアップオフィスについて解説していきます。
バックアップオフィスとは、BCPを実現するためには欠かせない存在です。簡単にいえば、「第二のオフィス」をもっておくということになります。
先程もお伝えした通り、災害などの緊急時に主要ビジネスがストップしてしまっては、事業を継続することができなくなります。第二のオフィスを構えておくことは、その対策として有効な手段なのです。
メインオフィスで行っていた業務を、バックアップオフィスでも同じように進めることのできる環境を構築しておくのです。オフィスとしての設備はもちろんのこと、インターネット環境や端末の設置、バックアップオフィスで業務をする際のマニュアルの作成などを作っておきます。そうすることで、メインオフィスが災害により稼働不能になったとしても、バックアップオフィスで通常業務を行うことができます。
また、仮に災害にあったとしても、早期復旧を可能にするために、普段から対策をとっておくことも重要です。メインオフィスにあるデータや資料は、別の場所で保管する仕組みを作ったり、耐震性に優れたオフィスに移転するなどの対策を、事前に講じておくのです。
BCPの根本的な考え方は、「ビジネスを止めないこと」です。あなたの事業が止まることで、困る人がいることを、日々認識しておかなければなりません。
では、バックアップオフィスを構えるうえで、どのような点を重視すればよいのでしょうか。以下で、重要なポイントに絞って紹介していきますので、あなたのビジネスに合わせた方法を選定してみてください。
メインオフィスを都心に構えている事業者様は多くおられるかと思います。ですが、バックアップオフィスを選定する際には、大地震や津波などの被害を受けにくい地域をおすすめします。また、近くに飲食店や宿泊施設があれば、従業員の安全と安心を確保することも可能です。
バックアップオフィスは、安全を保障できる場所であることも条件の一つに含まれるのです。
バックアップオフィスには、インフラ環境が整っていることも必要です。通勤のための交通機関は必須。どれだけ安全でも、アクセスが悪い場所では、業務に支障をきたしたり、従業員を危険にさらしてしまうことも考えられるからです。
また、停電のリスクを回避するために、UPS(無停電電源装置)が備わっていることも大事な条件です。業務にまつわるデータや、作業中の仕事が停電により失われないための重要な対策です。
オフィスの設備は特に重要です。いざというときの備蓄品(食料・飲料・衣類等)を完備しておくことで、従業員に安心感を与えることができます。メインオフィスがだめになったときでも、バックアップオフィスに行くことができれば大丈夫。という状況であるべきなのです。
加えて、耐震構造であることや、従業員がいつでも来れるように、24時間出入りできる物件を選ぶようにしましょう。従業員が気持よく、なるべく不安を残さない施策を練っておくことが大切です。
BCPオフィスを整備するためには、緊急時に備えた対策と、緊急時に通常通り業務にとりかかれる環境の双方を準備しておくことです。できることならば、メインオフィスのみで業務ができればよいのですが、天災ばかりは予測ができません。従業員の安心を軸に、どのようにして事業を継続するかが鍵となります。
事業者の方は、メインオフィスでの業務に加えて、バックアップオフィスの選定を検討することを推奨します。そして、その次に重要なことが、バックアップオフィスでの業務マニュアルを作成しておくことです。
緊急時には、いつも通りの連絡手段が使えないことも考えられますし、就業時間などの条件も変わることになります。そういった時、どのような手順でコミュニケーションをとっていくかを明確にしておくのです。従業員がいなければ、業務を進めることができないので、従業員・従業員の家族への配慮を中心に考えることが求められます。
BCPとしてバックアップオフィスを準備している会社と、そうでない会社とでは、事業存続の期間が異なる可能性があることはお分かりいただけるかと思います。
オフィスにおけるBCPについて紹介してきました。リスクマネジメントの手段としては、非常に重要な対策なのです。そして、緊急時でも安心して仕事のできる環境は、従業員はもちろんのこと、利害関係者の皆様を安心させることにもつながります。
メインオフィスでの業務が忙しく、中々着手できない範囲かもしれませんが、万が一に備えてBCPを検討してみてはいかがでしょうか。
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