経済ニュースなどでよく目にする「オフィス空室率」という言葉。空室率のアップダウン動向が、賃貸オフィスを使う側にとって具体的にどのように影響するのかは、しっかりと把握しておきたいところです。これから新たにオフィスを借りたい、オフィスの移転を検討している、賃料改定の時期が近づいているなど、オフィス賃料について考える時期にいるならば、ぜひ読んでみてください。
調査対象エリアに存在するオフィスビル物件に空室はどれだけあるのかを示すのが、オフィス空室率です。調査するエリアと賃貸オフィス物件を決め、空室になっている床面積を、賃貸オフィス床面積のトータルで割って算出します。
たとえば、調査対象エリアに5つの同じ広さの賃貸オフィス物件があって、そのトータル床面積が100平米だとします。そして、そのうち4つは賃貸中で、1つが空室だとします。それぞれの賃貸スペースは20平米ですから、この場合のオフィス空室率は、20平米÷100平米=0.2ということになります。
オフィス空室率を調査するのは、オフィス仲介会社や不動産会社です。なかでも、東京都中央区にある大手オフィス仲介会社「三鬼商事」の調査データが、よく使われます。
オフィス空室率に関する記事は、よく経済関連ニュースなどで取りあげられます。また、調査した企業がまとめたレポートを、インターネット上で閲覧することもできます。しかし、同じエリアで同時期に調査したオフィス空室率が、調査した会社によって異なることがあります。各社の見解が入る余地もない、事実に基づいた調査データのはずなのにどうして?と疑問に思うかもしれませんね。異なる調査結果が出てくる理由は単純で、会社によって調査エリアや調査対象とするオフィスビルなどの細かい条件が異なるためです。
オフィス空室率は、オフィス賃料の動向が予測できる先行指標といわれています。ですから、これからオフィスを借りようとする人やオフィス移転を考えている会社、あるいはオフィス賃料の更新時期にある会社は、オフィス空室率の変化を追っておくと、賃料のアップダウンを予測しやすくなります。
オフィス空室率が下がれば賃料は上がります。一般的にはオフィス空室率が4%以下になると、賃料は上昇傾向に転じます。賃貸継続を考えている場合は、物件オーナーから賃料の値上げを提案してくる可能性が高くなります。逆にオフィス空室率が5%以上のときはオフィス物件が過剰気味で、借り手市場となります。つまり賃料は下降傾向に転じます。
景気の変動による企業の投資活動が、オフィス空室率やそれに伴う賃料のアップダウンに影響します。好景気で企業の業績が上向き、積極的な投資ができるときは、賃料の高い都心の人気エリアでも、どんどん埋まっていきます。
ただし、同じエリア内に大規模なオフィスビルがいくつも竣工すれば、トータルの床面積が増えるわけですから、一時的にせよオフィス空室率は下がります。もちろん、賃料も下降気味になります。
2020年の東京オリンピックに向けて、都心の再開発は加速傾向にあります。東京進出を考える外資系企業も増加傾向です。都心には大型のオフィスビルが、次々に竣工する予定です。賃料の高い都心のオフィスビルだから、さすがに大量供給されれば空室率も上がるという考え方もあるでしょう。しかし、2003年に東京でオフィス物件が大量に増えたときは、千葉県や埼玉県などの周辺地域から企業が移転してくるという、ストロー現象が起きました。そのことを考え合わせると、東京駅周辺などの交通アクセスが良い好立地なオフィス物件には、今後ますます人気が集中すると考えられます。そのようなエリアでは、賃貸オフィス物件が増えても空室率にはさほど影響がなく、オーナーは強気の賃料を提示してくるかもしれません。
今は、インターネットでさまざまな情報を得ることができます。オフィス空室率や賃料の動向も、ネット検索で多くの情報をつかむことができます。ただし、物件情報はすべてが公開されているわけではありません。むしろ未公開物件のなかに、好条件のものが含まれていることも多いのです。ですから、賃貸オフィスについて本気で情報を得ようとする場合は、業者に直接問い合わせることが大切です。
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