ダクトというと、建物の天井の中に収まっていることが一般的で、言葉を知ってはいるものの、詳しいことは何も知らないし、あまり見かけたこともないというベンチャー企業経営者の方がほとんどだと思います。とはいえ、オフィスの代表者として、万が一の事態に備え、最低限のことは知っておきたいもの。用語の意味から配置デザインのアイデアまで、ダクト設備についてまとめてみました。
空気やガス、上水・下水など、さまざまな流体が通る管のことを総称して配管といいますが、そのような配管設備のうち、「中身が漏れても大きな問題には至らないもの」のことを限定的にダクトと呼んでいます。ですから、ガスなどとは違って、万が一漏れ出しても大きな危険がない、たとえばエアコンの送風用ダクトに使われるパッキンは、配管設備の中でもかなり簡易的で、つなぎ目はテープで始末されることもあります。ダクトテープと言われる灰色のテープをご存知の方も多いと思います。つまり、絶対に漏れ出さないような完璧な施工が必要ないので、配管設備の中でもとりわけダクトは、材料、施工費用いずれの面でも安く済むというわけです。
ダクトの種類は、「グラスウールダクト」と「鉄板ダクト」とに大きく分けられます。「グラスウールダクト」は、吸音性に優れているほか、グラスウールで覆われているため、保温のための工事を改めて施す必要がありません。工事も簡単で、ダクトを取り付けるだけで完成です。使用しているうちに錆びてしまうような心配もありません。とても静かですので、オフィスなどの空調設備に向いています。他方、「鉄板ダクト」は、鉄板がむき出しになったダクトのこと。材料は亜鉛鉄板やステンレスなどが一般的で、形によって丸ダクト、角ダクトなどと呼ばれます。
一般的なオフィスの排気工事といえば、ダクトや換気扇などの取り付け、また老朽化した部品の取り替えを指します。換気扇を壁や天井などに設置することで、ダクトによって屋外への排出経路を確保するための工事です。壁に直接換気扇を設置することができる環境であれば、ダクトを設置する必要はありませんが、商業施設や住宅に隣接している場合など、壁から直接換気するのが禁止されているケースもあります。また、ダクトの素材に静音設計がなされていない場合、施設内の騒音が問題となるようなら、取り替え工事が必要になるでしょう。事前の確認が必要です。
通常、オフィスの天井にダクトを張り巡らせる場合は、ボードを張って隠してしまいます。ところが近年は、ダクトに塗装を施したものから、まったく無塗装のものまで、ダクトをむき出しにした天井のオフィスも増えてきました。カフェなど商業施設で用いられたのがきっかけで、おしゃれなイメージで捉えられるようになっているだけでなく、工事の予算が安く済むというメリットがあります。入居したビルにダクト工事が必要となった場合、ぜひ検討してみてください。
より良いオフィス環境をつくるために、ダクト設備について、オフィスの代表者が最低限知っておきたいことについてまとめました。ダクトについては、大きな事故につながる可能性は低いと言えますが、経営者たるもの、オフィスのことについては隅々まで目配りしておきたいもの。オフィスのハード面についてまでは、なかなか気が回らないとは思いますが、万が一、工事が必要となれば、費用もかかります。オフィス移転の際は、ぜひチェックしておいてください。
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