オフィスの「インテリアゾーン」や「ペリメータゾーン」をご存じですか?オフィスのなかでインテリアにこだわっている部分のこと……ではありません。オフィスの空調設備とも関わりの深い、ゾーンのことを指しています。
今回は、オフィスを用意するときに知っておきたい「インテリアゾーン」と「ペリメータゾーン」の解説と空調計画のポイントなど、エネルギー効率を上げるための対策方法をご紹介します。
インテリアゾーン(interior zone)は内部ゾーンと訳されることもある、外壁や窓から離れた空調によって管理されている空間のことを指しています。壁や窓から3〜6mほど離れている内部空間は、温度が外の温度や太陽の光による影響を受けないため、空調にそこまで頼らずに過ごすことができます。
内部空間には、パソコンなどの熱を発するモノや人がいるため、冬場であっても冷房が必要なこともあります。インテリアゾーンと壁に近いペリメータゾーンとで空調設備を分けることで、効率よく気持ちのいい室内の環境を保つことができるとされています。
ペリメータゾーン(perimeter zone)とは、窓や外壁に面し外の気温や光の影響を受けやすい空間のことです。インテリアゾーンと対象的に、建物の中ではあるものの、外の温度に左右されやすく、空調の負荷が大きくかかるエリアだとされています。
夏には強めの冷房、冬にはしっかりと暖房が必要なゾーンで、インテリアゾーンとは空調を分けたほうが効率的に室温を維持することができます。
オフィスの空調計画を立てるときには、2つのポイントを押さえておくことをおすすめします。
ポイントの1つ目は、「ミキシングロス(混合損失)」に注意することです。特に冬場は、寒くなるペリメータゾーンでは暖房が、インテリアゾーンでは冷房が必要になります。ミキシングロスは、こうして違う役割を担っている空調がお互いに温度が干渉して、ムダなエネルギーが消費されてしまうことを指しています。それぞれの空調から送り出される空気が干渉しないように、空間を考えていく必要があるのです。
もう1つのポイントは、それぞれのゾーンに適した空調を設置することにあります。インテリアゾーンとペリメータゾーンでは役割が異なります。主に冷房機能を必要とするインテリアゾーンと、夏と冬とで送り出す空気の温度に違いがあるペリメータゾーンでは、適する空調が異なります。
空調は、どのゾーンにどんな空調を置くのか、を意識して計画を進めるようにしましょう。
オフィスの空調設備は、インテリアゾーンに適したものとペリメータゾーンに適したものなどさまざまなタイプがあります。ここでは、オフィスの空調設備の一部をタイプ別にご紹介します。
<インテリアゾーンに適したタイプ>
・タスク・アンビエント空調方式
人が活動するタスク域と人があまりいないアンビエント域とを分けて空調を行うタイプです。個人の好みの温度に合わせた調整が可能なため、インテリアゾーンに適しています。
・床拭きだし空調方式
床から調和された空気を送り出す床拭きだし空調方式は、OA機器の配線を床下で行うフリーアクセスフロアなら取り付けもカンタンで、インテリアゾーンに向いている空調設備だとされています。
<ペリメータゾーンに適したタイプ>
・ファンコイルユニット方式
空気を循環させ、冷温風を出す空調方式です。冷温水コイルが内部にあり、温かい空気は冷たく、冷たい空気は温かくして室内に送ります。温度変化の激しい窓際や壁際におくことで、室温を一定に保ってくれるため、ペリメータゾーンに適しているとされています。
・ウォールスルーユニット方式
室外機と室内機が一体になっているウォールスルーユニットは、特に窓際に設置する床置きタイプがペリメータゾーンに適しています。外の空気を取り込んだり排気を行ったりするためのスリットが設けられているタイプです。
オフィスを構えるときや空調の入れ替えをするときでないと、あまり意識しないインテリアゾーンとペリメータゾーンですが、考えてみれば、それぞれ温度変化も適する空調が異なることも納得できますよね。
空調計画を立てるときには、それぞれのゾーンにどんな空調を設置すると効率的に室内環境を一定に保ち、気持ちよく過ごすことができるのかを考えるようにしましょう。
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