「吹き抜け」という言葉は専門的な建築用語ながら、その意味するところは一般的によく知られています。良くも悪くも居住環境に大きな影響を与えるため、オフィスの生産性とも関係しており、関心を持つベンチャー企業経営者も多いはずです。オフィスにおける「吹き抜け」のメリットとデメリット、そしてこれからのあり方について考えます。
オフィスビルで「吹き抜け」がもてはやされるようになったのは、1980年代頃からと言われています。オフィスの快適化が盛んに叫ばれるようになり、まずビル内の緑化・アメニティ化を目的とするアトリウムに注目が集まるようになりました。それに伴い、いくつものフロアを突き抜いた大きな「吹き抜け」空間が好んで作られるようになったわけです。今日でも、オフィス内にそうした「吹き抜け」のある憩いの場を作ることが、生産性や働く人の精神面の向上に寄与するという考え方が残っています。ビルを快適な生活空間とするための工夫として、「吹き抜け」という構造は、なくてはならないもののひとつと考えられているのです。
「吹き抜け」には主に次のようなメリットがあると考えられます。
・太陽光が空間の奥の方まで入る
・天井が高くなることで開放感が生まれる
・フロア同士につながりができる
・空間がオシャレになる
「日光が入る明るいオフィス」を優先するのであれば、「吹き抜け」は極めて有効です。また、高い天井によって従業員が開放感を得られること、フロア同士の風通しが良くなることなど、「吹き抜け」は快適なオフィス環境を作るのに適していると言えるでしょう。
他方、「吹き抜け」には次のようなデメリットもあると言われます。
・エアコンの効率が下がる
・清掃にたいへんな手間が必要
・騒音や匂いなどがオフィス中に届いてしまう
人がいるかどうかに関係なく、広い体積の空調が必要となるため、その分、エアコンの効率は明らかに下がってしまいます。また、清掃については、高所用の掃除道具が必要になる、もしくは業者に依頼する必要があるなど、コストや手間がかかってしまいます。さらに、大きな騒音や強い匂いが空間の一部で発生する場合、空間全体でそれを共有することにもなっていまいます。
そうした従来のメリット・デメリットを超えて、これからの「吹き抜け」のあるオフィス空間は、大きな可能性を秘めています。それは、フロア同士をつなぐ「ハブ機能」です。憩いの場としてのアトリウムではなく、部署同士が垣根を越えることで、社内のコミュニケーションが活性化され、これまでなかったような出会い、意見の交換が生じ、新しい発想やアイデアが生まれることが期待されているのです。「吹き抜け」は、新たな事業のあり方を模索する経営者にとって、十分に検討する価値があるものと言えるでしょう。
企業の生産性と直結すると言われるオフィスにおける「吹き抜け」について、そのメリット、デメリットとともに、将来の展望を交えながらご紹介してきました。オフィスを選ぶ基準はさまざまですが、快適な空間作りによって生産効率を上げたいという願いは、すべての経営者に共通するはずです。また、部署間に垣根のない、社内で自由なコミュニケーションが行われるようなオフィス空間がずいぶん一般化して、人気を集めてもいるようです。より良いオフィス環境のために、ぜひ「吹き抜け」について検討してみてはいかがでしょうか。
賃貸オフィス総合情報サイト「 officil 《オフィシル》」は、都内ビル物件情報の掲載数はNo.1!
賃料10%キャッシュバック! · ご成約するまで完全無料! · 実績多数のスピード対応!