個人経営のクリニックでは、小規模ゆえに人間関係のトラブルが起きるリスクは少ないといえます。しかしそれぞれが専門分野に特化した仕事に携わり、スタッフ間コミュニケーションがとりづらい側面があります。また少人数だからこそ、スタッフ間でトラブルが生じると深刻化してしまうこともしばしば。職場環境の改善のためには院長らスタッフの相互理解が不可欠。クリニック経営の立場からどんな工夫がなされるべきでしょうか?
職場内のコミュニケーション改善を目的とした場合、すこし遠回りしているように見えてじつは近道となり得るのが、院長のビジョンを明確にすることです。はっきりと言語化して、これをスタッフ全員にきちんと伝えるということ。シンプルなようですが、これによって職場内の環境がとても良くなります。スタッフは、院長の考えを熱心に読み測ろうとはしません。また、わざわざ質問してくることもありません。だから、院長はクリニックの経営者として、どんなクリニック経営を目指しているのかを、言葉で伝えて共感して貰えるよう努力することが大切なのです。それによって院内のモチベーションが高まり、自ずとコミュニケーションがとれてきます。
院内ミーティングは、当然のことのようにどんなクリニックでも行われているでしょう。ただし、その内容はどうでしょうか。各スタッフからの報告が上げられ、問題があればその対策について適当な答えを当てはめるだけに終始していませんか。それでは、スタッフの意識は低くなる一方です。ところが、もしミーティングのなかで、スタッフ全員が明確なビジョンを共感できるようにすれば、そのまま、職場のコミュニケーションを良くすることにもつながるのです。こうしたビジョンは経営者が設定し、スタッフには細切れなゴールを課すようにします。こうしてスタッフたちのモチベーションを高められるミーティングを目指しましょう。
職場内の雰囲気がなんとなく悪いというのは、スタッフ一人一人が充実していないことのあらわれです。つまり、職場全体を良くするためには、スタッフ個々の仕事に対する充実度を上げることが肝要というわけです。そのために試してみていただきたいのが、「自己目標管理」アンケートの実施です。スタッフが、目指すべき目標を、月ごとにあらかじめ設定し、その達成度を自己採点して貰います。個人の目標と、クリニックの目標との擦り合わせの作業も大切です。こうして、クリニック全体の目標に向かって、一丸となって取り組めるようになることで、職場内のコミュニケーションも改善されるはずです。
クリニックに代表されるような専門職経営では、スタッフそれぞれが従事する分野の専門性がそのままコミュニケーションのとりにくさにつながっています。お互いの仕事内容が理解できない状況なので、ちょっとしたことで認識の齟齬が生じたり、誤解が生まれるようなことにもなりかねません。そうしたトラブルを防止するために、ロールプレイングが役立ってくれます。スタッフがさまざまな役になって、ロールプレイング形式でいつものように診察してみると、普段は気がつかなかったことを発見できたりします。スタッフ同士がお互いの良い点を見つけて認め合うなどして、良い潤滑油になるはずです。
クリニック内に、スタッフたちが休憩できるような空間はありますか?ホっと一息つける憩いの場のようなところがあれば、そこで自然に生まれてくる会話をきっかけにして職場の雰囲気がずいぶんと和むものです。特段大きなスペースでなくても構いません。コミュニケーションがとれるだけの最低限の休憩所があれば十分です。それも難しいようなら、コミュニケーション活性化施策の実現のために、スペースの確保や導線改善が必要になるため、いっそのことオフィス移転を考えるのも一つの方法です。
クリニック経営にはいろいろな悩みがつきものです。なかでも人間関係にまつわるものは、無理に解決しようとするとかえってこじれてしまったりして難しいですよね。だからこそ、なにかトラブルに発展してしまう前に、予防策を講じることが肝要なのです。逆から言えば、職場のコミュニケーションさえ上手くいけば、大概の問題は乗り切れるはずです。日頃から、職場環境を整えておく努力を怠らないことが、立派な経営者には必要不可欠な素質でもあります。
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