仕事の質を高めたり、効率化したりするうえでたばこを必要と考える従業員がいる以上、喫煙スペースを設置するかどうかは、経営者が避けて通ることができないテーマです。喫煙者と非喫煙者との力関係で語られることが多いトピックでしたが、健康増進法の思考から10年以上が経ち、最近はより生産的な議論がなされるようになってきました。オフィスにおける喫煙スペースの現状とあり方についてご紹介します。
平成15年5月1日に「健康増進法 第25条:受動喫煙の防止」が施行されて以来、受動喫煙による非喫煙者の健康被害対策はじめ、喫煙スペースの確保について会社ぐるみでとして対処すべき時代を迎えました。具体的に以下の4つのガイドラインが設けられています。
1. タバコの煙が外に漏れないような喫煙室の設置。
2. 煙が拡散しないように吸引し、屋外に排出するシステムを設置し、空気清浄機によって対処する場合は、換気のための特別な配慮をする。
3. 非喫煙スペースから喫煙室への風速を秒速0.2m以上にする。
4. 浮遊粉塵の濃度を1立方メートルあたり0.15mg以下とすること。また一酸化炭素の濃度を10ppm以下とすること。
全面禁煙や全館禁煙という方法もありますが、社内に喫煙者がいる場合や来客が想定される場合は、より柔軟な分煙というスタイルを取るのが一般的です。オフィスに多い分煙のタイプとしては以下のものが挙げられます。
・エリア分煙
パーティションや植栽などで喫煙エリアと非喫煙エリアを分ける方法です。
・個室による分煙
間仕切りによって喫煙スペースを個室化する方法です。喫煙スペースに煙やニオイがこもりやすいので、給気・排気を行う必要があります。
・吸引・排気による分煙
喫煙エリアの上部に換気扇など排気設備を設置し、煙が周囲に広がる前に煙を吸引し排気する方法です。壁や間仕切りを設けずとも喫煙者・非喫煙者の共存が可能です。
・屋外喫煙スペース
屋外に喫煙スペースを設置する方法です。非喫煙者が利用しないエリアに設置必要があります。
効果的な分煙を低コストに行うのに適しているのが「個室による分煙」です。具体的にはアルミ製のパーティションを設置し、独立した喫煙室とします。 腰から上の高さをガラスにすることで喫煙室を明るくすることも可能です。例えば、約6畳の喫煙室の工事費であれば、264,000円から、約3畳であれば200,000円というコストで設置できます。これに加えて分煙機(200,000円から)や換気扇(20,000円から)などが必要になります。
喫煙スペースを確保することの目的は、喫煙者と非喫煙者とが快適に過ごすことだけではありません。喫煙スペースにおけるリラックスした会話が社内の人脈を形成や、新たなアイディアを生み出すきっかけになることがあると言われています。そうした非公式の偶発的なコミュニケーションをなくしてしまうのは企業にとって大きな損失と言えます。より生産性の高い職場づくりのためには、分煙環境を整え、コミュニケーションの活性化を最大限に図りたいところです。
オフィスにおける喫煙スペースについて、分煙のあり方や設置例、また意義についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。喫煙者の多くは、たばこを吸う時間を、より質の高い仕事をするための重要なリフレッシュメントとして考えています。その一方で、職場内でのたばこの煙の蔓延は、非喫煙者の仕事効率を著しく低下させるだけでなく、甚大な健康被害の原因ともなります。快適で生産性の高い職場づくりのためには、社内での分煙についての議論を積極的に推し進めていかなくてはなりません。
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