気に入ったオフィス物件があったとき、不動産業者はすぐに「手付金」を入れるように勧めます。しかし…ちょっと待ってください。本当にすぐに「手付金」を入れてしまっていいのでしょうか?手付金の意味を分かっていますか?「う~ん…何となくしか…」こんな方はぜひ、この記事を読んでください!手付金について詳しくご説明いたします。
「手付金」と「申込金」の違いを把握できていなかったため、トラブルになるケースもみられます。ここでしっかり「手付金」と「申込金」の違いを把握しておきましょう。「申込金」とは、物件が気に入ったときに順位保全のために「預けておくお金」のこと。要するに予約金のようなものです。もし、その物件より気に入った物件が見つかったときは、いつでも返却してもらえます。また、その物件を借りることに決めた場合は、手付金の一部となります。「手付金」は契約時に支払うお金のことで、契約をキャンセルした場合は返却されません。契約前に物件をキープするという意味で支払うお金はすべて「預かり金」です。「手付金」ではありません。
「手付金」の相場は一般的には保証金(敷金)の20%程度です。これはあくまでも契約時に支払う「手付金」の場合です。契約前の時点で、不動産業者に物件キープのために「手付金」として入金を勧められた場合は、返却されるお金かどうか再度確認してみましょう。もし返却してくれるという約束をしてもらえたら、それを書面にしてもらうようにお勧めします。この場合に不動産業者が「手付金」と言うのは正確ではなく、「申込金」もしくは「申込証拠金」と言わなければなりません。「手付金」を支払うのは、「重要事項説明」後の契約締結時です。混同されていることが多く、不動産業者ですらこのような言い方をすることが多いため、混乱やトラブルの原因になっていると言えます。
売買契約や賃貸契約において、特に理由もなく契約解除できる方法として「手付解除」があります。借主は手付金を放棄することで、契約の解除ができます。また、貸主側から契約を解除したい場合は、受け取った手付金の2倍を返却することで契約の解除ができます。ただし、これには期限があり、「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」(民法557条1項)となっています。しかし、この「履行の着手」という判断基準が明確でないため、期間を定めることもあります。定められた期間はそれぞれ違うので、注意が必要です。
賃貸オフィスの場合、審査が終わり、重要事項の説明を受けると正式に契約に至ります。普通はこの時点で保証金(敷金)・前家賃・仲介手数料などを支払いますが、何かの都合でその時点では全額を支払えない場合があります。それでも貸主との合意の上で契約に至るという場合に、手付金を支払います。もしその上で解約したくなった場合、先ほども触れましたが、この手付金を放棄すれば解約することができます。しかし、貸主が借主のために既に何らかの行動を起こしていた場合は、たとえ手付金を放棄しても解約できないので注意してください。何らかの行動とは、たとえばカーペットやクロスの貼り換えといった内装工事を始めていたような場合です。これが「履行の着手」ということになります。
多くの人が「手付金」のことをきちんと理解できていないのではないかと思います。しつこいようですが、契約前に物件をキープしておくためのお金は手付金ではありません。手付金と思って支払い、キャンセルしたら戻って来ないので仕方なく契約してしまったという人もいるでしょう。また、キャンセルして「手付金はお返しできません」と言われ、そのまま返却してもらえなかったケースも…。こんなことを避けるためにも、手付金のことをきちんと理解しておきましょう。
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