契約を成立させるときについてまわる「免責」。企業経営者にとっては特に気になる用語です。賃貸オフィスを契約する際も例外ではありません。オフィスを賃貸で利用する場合、想定外の事故に巻き込まれることも少なくありません。たとえば火災や天災などといった大惨事から、水道が使えないという軽いトラブルまでいろいろです。そうした場合に損害を回避する方法、留意しておくべきことをまとめてみます。
「免責」とは、万が一、物件や車両に損害が発生した場合でも、保険会社が保険金を支払う責任を免じられることを指します。どんなケースで保険金が支払われないかについては、「保険金を支払わない場合」として、重要事項説明書や約款に記載されているのが普通です。免責事項に該当する損害が生じた場合には、被保険者が自ら負担しなくてはなりませんので、注意が必要です。後になって「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、書類によく目を通しておく必要があります。
オフィスを借りる際には、損害保険に加入することになりますが、中でも代表的なのが火災保険です。火災保険という名前ながら、火災以外の事態、たとえば落雷や大雨、台風のほか盗難までもカバーしているのが普通です。ところが、契約の内容を細かく見ていくと、たとえば風災があった際、損害額が20万円未満の場合は補償の対象にならないなど、「免責」が設定されていることがあります。また、多くの場合、地震による被害も「免責」の対象となります。一般的には価格が安いほど「免責」の対象が大きくなりますので、万が一の事態に備えるなら、高額な保険に入るのがおすすめです。また、落雷によるデータ消失など、万が一の際に「免責」とならないよう、業種に合った保険に加入するとよいでしょう。
「瑕疵担保責任」というのをご存知でしょうか。購入した物件に万が一欠損があった場合、買い主が売り主に対して追求できる権利のことで、売買の目的物の欠陥が、購入する過程で、ある程度注意していても気がつきにくいものである場合に生じるものです。ところが、賃貸では、事前に貸主が借主に対して告知を行っていることを条件に、瑕疵担保責任の「免責」が成立してしまいます。後になって困ったことにならないよう、貸し主からの通達にはしっかり耳を傾けておきましょう。
賃貸において、事前に貸主から告知を受けてない瑕疵が見つかった場合は、担保責任は「免責」とはなりません。ビル自体に問題があるケースなら、致命的なものでない限り、修繕を行うのが普通です。ところが、賃貸で瑕疵担保責任が問題になるケースとしては、軟弱地盤や土壌汚染など、土地に瑕疵があることが契約締結後に見つかる場合が多いようです。この場合は、簡単に修繕ができませんので、契約の解除となるか、貸主によっては家賃の減額交渉などが可能になることもあるようです。
賃貸オフィスを利用する際に留意しておきたい「免責」についてご紹介してきました。損害保険については、契約内容をすべて読み込むことはなかなかできませんから、仮にわからないことがあっても、そのまま放置してしまうことも少なくないと思います。しかし、万が一の事態が起きてしまった際、保険がおりると高をくくっていて、結果的に「免責」によって足元をすくわれてしまうことがないとは言い切れません。より高価な保険商品を購入して免責の対象を狭くしておく、また物件の現状をしっかり理解しておくなど、事前に充分な対策をとるよう心がけましょう。
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