POEという言葉は、あまり聞きなれないという方も多いと思います。これは、「Post Occupancy Evaluation」の略で、直訳すれば「占有後の評価」ということになりますが、一般的には入居後評価などと訳され、オフィス環境を改善していく上で有用なものと考えられています。入居前にオフィスを評価することはあっても、入居後に評価するとはどういうことなのか?POEのイロハについて解説します。
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POE(Post Occupancy Evaluation)って何?
POE(Post Occupancy Evaluation)とは、オフィスを移転したり、改修したりした後に、オフィス機能や環境を入居者がどのように評価し、どれくらい満足しているかを調べた上で、改善効果を測定するためのツールのことを言い、「入居後評価」などと翻訳されます。オフィス環境とは、ただ従業員が働いている場所ではなく、従業員の生産性を向上させるための重要なリソースだと言うこともできます。つまり、人やビジネスツールなどと同様に、常に適切に評価され、改善が図られなくてはなりません。
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オフィスの機能・環境を評価するとはどういうことか?
オフィスの室内環境は、温度・空気・音・光・空間といったさまざまな要素が相互に影響しあいながら形成されています。ですから、室内環境がどのような状態にあるかを適切に評価するには、すべての要素を個別に精査しなくてはなりません。また、これまではオフィス環境を査定しようとする場合、オフィスの物理的な側面だけを取り上げるばかりで、そこで居住する人々のメンタルな側面に焦点が当てられることはほとんどありませんでした。POEは、オフィス入居後、居住者がオフィスをどう評価しているか、物理的側面・心理的側面のいずれについても調査を行います。
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POEの調査対象となるものとは?
POE実施の際、物理的側面については、オフィス内で各種測定器を使った測定を行います。他方、メンタル面については、オフィスの居住者に対してアンケート調査やインタビュー、さらには追跡調査などを実施します。これらは調査の対象となる各要素ごとに細分化されています。物理的側面の対象となるものとしては、たとえば次のようなものが挙げられます。温度については水平温度や上下温度・湿度・気流速度、さらには日射量や着衣の量など。空気については、浮遊している粉塵の量や一酸化炭素・二酸化炭素の濃度を調べます。音については、空調騒音や暗騒音といった室内のあらゆる騒音が対象となります。光については、作業面の照度などが対象です。空間については、執務室の床面積や共用部分の床面積・天井高、さらには植栽の数や机の幅・電話台数などまで調査します。
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POEの具体的な実施例
POEの具体的な実施事例についてご紹介します。面積440平方メートル、在籍者数93人の事務・設計を行うオフィスの室内環境調査を実施したところ、メンタル面の安らぎが低いと評価されましたが、その理由が植栽・リフレッシュメントコーナーの不足であることが物理的側面の調査で明らかとなりました。まず温度環境および空気環境について調査を行ったところ、居住者が実感している通り、実測した値において極めて良好な環境であることがわかりました。さらに空間環境について調査を行ったところ、温度環境や空気環境などよりも評価が劣ることが判明しました。その結果、空間環境に問題の所在があることが明らかとなり、これを改善するために、リフレッシュメントコーナーのためのスペースを増設することや植栽・装飾を取り入れることを提案しました。
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POE(Post Occupancy Evaluation)についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。オフィスをより良いものに変えていく方法はさまざまです。従業員が中心となって社員全体で改善に取り組む方法もあると思いますが、専門的な業者の力を借りて抜本的な対策を講じるという手もありそうです。いずれにしても、企業の生産性を常に高く保つためには、オフィスの居住性に常に注意を払う必要があると言えるでしょう。
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