普段何気なく見ているオフィスビルの外壁にも、さまざまな意匠を凝らしたものがありますね。オフィスビルのイメージは外観も重要です。ビルの外観は直接テナントの営業に影響するものではありませんが、外観が気に入って入居したくなる場合もあるのではないでしょうか?今回は外壁を彩る吹き付けタイルについてご説明いたします。
ビルの意匠を左右する外壁の仕上げにはさまざまなものがありますが、一般的によく見かけるものが、タイル壁と塗装壁です。タイル壁は、コンクリートの躯体の上にモルタルを施し、タイルを押さえ込んで貼る圧着貼りが一般的です。塗装壁にもさまざまな種類があり、吹き付ける塗料に混ぜ合わせる材料によっても名称が変わります。リシン塗装(アクリル塗料と同時に石や骨材を吹き付ける)、スキン(セラミック)塗装(小さな石の集合をアクリル塗料を糊として吹き付ける)、スタッコ塗装(石灰に大理石や砂などを混ぜ合わせたもの)など。また、粘土状塗料を吹き付ける、吹き付けタイル仕上げなどもあります。
吹き付けタイル仕上げとは、ボンタイル仕上げともいい、機械を使って塗料を吹き付ける塗装方法です。他の塗装との違いは、凹凸のある仕上げにするために、シーラー吹きの後で玉吹きという作業を行い、その後仕上げ塗りを2回施すため、4~5工程の塗装となります。層を重ねて仕上げるので複層型とも呼ばれています。また、押さえ仕上げの場合は、玉吹きを行った後、専用のローラーで転がし、玉を押さえていく作業をします。手間がかかるので、吹き付けタイル仕上げより価格が高くなります。耐久性は、どちらも玉吹きする樹脂の種類や仕上げ塗料によって異なります。
吹き付けタイルに使用されている塗料は以下の通りです。
(1)ウレタン塗料:ウレタン系樹脂を主成分とする塗料。密着性・耐候性・耐水性・耐薬性にも優れているが、シリコン系塗料には劣る。耐久年数8~11年。
(2)アクリル塗料:安価だが耐久性は低い。こまめに塗り替えが必要。耐久年数6~8年。
(3)シリコン塗料:コストパフォーマンスが高く、耐候性・耐熱性に優れているため、現在最も多く使われている塗料。耐久年数12~15年。
(4)フッ素塗料:他の塗料に比べ耐候性・耐熱性・耐寒性などが格段に優れ、航空機の塗装などにも使用されている。価格が高いので普及が遅れている。耐久年数15~20年。
最近にわかに注目されているラジカル塗料をご存じですか?ラジカルとは化学用語で遊離基とも言い、光分解・熱分解・放射線照射などによって起こる化学反応の基となるものです。ラジカル塗料は正式には「ラジカル制御型塗料」といい、ラジカルを制御する塗料ということです。ラジカル塗料に含まれている技術は、「高耐候酸化チタン」と「光安定剤」。これらによって非常に高い耐候性・防汚性が得られ、水性のため混ぜやすいので作業性にも優れています。また、非常に美しい光沢があり、長時間光沢が続きます(光沢の程度は調整が可能)。価格はシリコン塗料とフッ素塗料の中間(1,200円~2,000円/平方メートル)くらいです。
外壁塗装は、塗装の方法や塗料の種類も非常に豊富になっています。ひと昔前にはウレタン塗料は万能塗料とも言われ、大変人気で主流の塗料でしたが、最近では日進月歩の技術開発により、さらに耐久性や施工性の良いものが商品化されています。ラジカル塗料は商品化されてから新しいため、まだ一般に普及していませんが、近い将来はラジカル塗料が主流になる可能性が高いのではないでしょうか。機会があればビルの外壁にもぜひ注目してみてくださいね。
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