最近の大規模オフィスビルやハイグレードオフィスビルでは、窓ガラスにLow-eペアガラスを導入するケースも多くなってきましたが、古い建物などは導入が進んでいません。以前、高層ビルの窓が自然に割れて落下するという事故もありましたね。今回は窓ガラスについて考えてみませんか?窓ガラスの性能の違いは、オフィスの快適性に大きな影響を及ぼすのです!
一般的な高層ビルの窓ガラスには、倍強度ガラスが多く採用されています。倍強度ガラスはフロート板ガラスの約2倍の強度を持つガラスですが、強化ガラスの強度(フロート板ガラスの3.5倍)よりは劣ります。しかし、強化ガラスは破損時の破片が小さいため、割れるとすぐに落下してしまうことから、高層ビルには向いていないとされています。倍強度ガラスはフロート板ガラスと同じく、破損時の破片が大きく、サッシ枠からすぐには落下しない特徴から、JISの建築用安全ガラスとして規格化されています。
・フロートガラス……フロート製法で成形した単層透明の板ガラス。
・強化ガラス……ガラスを加熱し、急速冷却することで3~4倍に強化したガラス。
・複層ガラス……2枚のガラスの間に乾燥空気などが挟み込まれて密閉されているガラス。
・合わせガラス……2枚のガラスの間にフィルムなどが挟み込まれたガラス。
・型ガラス……形成時に型に入れ整形したガラス。曇りガラスのこと。
・すりガラス……フロートガラスの片面を研磨剤で磨り加工を施し、不透明にしたガラス。
・網入りガラス……割れた際の破片の落下を防ぐため、金属線を入れたガラス
・熱線反射ガラス……表面に金属酸化物を焼き付け、ハーフミラー効果を付加したガラス。鏡張りのように見えるビルはこのタイプのガラスを使用している。
・熱線吸収ガラス……微量の金属成分を加えて着色したガラス。着色しているため熱吸収率が高まり、熱割れしやすい。
ペアガラスとは複層ガラスのことで、2枚のガラスの間に乾燥空気が密閉されているガラスを指します。最近は複層ガラスと呼ばれるよりもペアガラスと呼ばれることが多くなってきました。2枚のガラスに空気を挟むことにより、高い断熱効果を発揮します。窓はオフィスにはなくてはならないものですが、夏の冷房時には開口部から7割以上の熱が流入し、冬の暖房時には開口部から5割以上の熱が流出します。このようなエネルギーの無駄を軽減させる目的で作られたのがペアガラス(複層ガラス)です。空気層に乾燥空気が注入されている理由は、熱を伝えにくくするため、また結露を防ぐためです。内部に水分が含まれた空気が入っていると、それが結露となってしまうからです。
Low-eペアガラスとは、2枚のペアガラスの室内側のガラスにLow-eガラスをコーティングしたペアガラスのことです。Low-eガラスとは、フロートガラスの片側表面に薄い特殊金属膜をコーティングしたガラスで、この金属膜により紫外線を反射させるため、通常のガラスの82%の紫外線カットが可能になります。断熱効果プラス遮熱効果で省エネ効果もアップ!断熱性能は普通のガラスの約3.2倍、一般ペアガラスの約1.5倍になり、遮熱性能では普通のガラスの約5倍、一般ペアガラスの約3倍になります。
ペアガラスは省エネ対策に効果的ですが、それだけでなく高層ビルでのガラス割れによる落下事故も減少させることができます。2枚のガラスが同時に割れる可能性は極めて低いからです。また、ペアガラスは防音効果も高いとされています。日本ではまだまだ普及が遅れているペアガラスですが、海外ではエネルギー消費量を抑えるために義務化されている国もあるそうです。どうやら日本はガラスにかけては先進国とは言えないようです。
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