賃貸オフィスで最も重要なのが、安全性です。安心して業務に専念できる安全なオフィスづくりのためには、最低限必要な建築基準法を知っておくことも大切なことです。ここでは、テナントが知っておくべき建築基準法と注意しておきたいポイントをご紹介いたします。入居前に充分にチェックし、安全なオフィスづくりの参考にしてみましょう。
建築基準法は1950年に施行された、建築物の敷地・構造・設備・用途に関する最低の基準を定め、国民の生命・健康・財産の保護と、公共の福祉の増進に資することを目的とした法律です。法の構成は全国的に適用される規定(単体規定)と都市計画法で定められている都市計画区域内だけに適用される規定(集団規定)があり、単体規定は建築物の安全・衛生(建物の構造・耐力・防災・防火・居室の採光・換気・天井高・階段・建築設備など)に関するもの。集団規定は市街地における居住や産業活動における環境の確保や利便性の増進、火災時の安全性の確保(用途地域・防災地域・高さ制限・建ぺい率・容積率・道路と敷地の関係)等に関するものとなっています。さらにこれらの規定の実行を図るため、建築確認申請などの手続きに関する規定が定められています。
企業活動においては、さまざまなリスクが想定されます。例を挙げれば、顧客情報の漏洩や製造業におけるリコール問題・大地震や火災による被害など。このさまざまな想定されるリスクの回避・低減を図るための対策を講じることがリスクマネジメントです。建築基準法や消防法の知識を持つこともリスクマネジメントにつながる大切なことです。例えば、オフィスの内装などをする場合にも内装制限の概要などを知ることが、火災発生の防止や万が一の火災発生時において、初期火災の拡大の遅延や有害な発煙等の防止を図ることができます。
建築基準法はそのときどきに発生した災害や建築物における問題があがったときなどに、しばしば改正されます。建築基準法の大改正が行われ、施行されたのは1981年6月1日。1978年に発生したM7.4の宮城県沖地震の3年後です。この改正で新耐震設計法が導入され、地震力に対しての必要壁倍率の改正と軸組の種類と壁倍率の改正が行われました。これが新耐震基準と呼ばれているものです。1981年6月1日以降に建築確認を受けた建築物はこの新耐震基準に適用されたものだということなので、オフィスビルを探す場合の基準にすることをおすすめします。しかし、旧耐震基準の建築物でもきちんとした耐震補強がされていれば、問題はありません。
テナントが知らず知らずのうちに建築基準法違反を犯しやすい事例は以下の通りです。
・オフィスの内装で、天井や壁の下地や仕上げなどに不燃材が使用されていない。
・間仕切りによって排煙規定違反になっている場合。
・階段室や階段に避難の妨げとなる物を置いている。
・非常口を物で塞いでいる。
・避難通路が封鎖されている。
・非常照明が切れているのを放置している。
・テナント入り口の扉を変えてしまった。
以上のことは、よく起こりがちな建築基準法違反になります。安全のため入居してからもこのようなことには充分注意しましょう。
法律というのは、わざと難解に書かれているのではないかと思うほど、分かりにくく把握することが大変なものですね。建築基準法にしても然りです。しかし自分のオフィスとなると人任せにはできない部分もあります。必要最低限の建築基準法は理解して、分からない部分は調べてみるといった姿勢が経営者には必要ではないでしょうか。そして何よりも、安全なオフィスづくりを心がけたいものです。
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