オフィスの居抜き、一度は考えてみた方も少なくないかもしれません。飲食店などを中心に店舗形態は居抜きでの募集はよく聞きますが、これがオフィスになると居抜きで契約するケースはそう多くないのが現状です。どちらかと言えば、「退去時に居抜きで借りてくれる先がないかなぁ・・・」の方が多いかもしれません。今回はそんな居抜きオフィス移転のメリットとデメリットについて、入居時と退去時の両面からまとめてみました。
※居抜きオフィス移転とは、前テナントの内装・造作や什器・備品などを後継テナントが引き継いで入居する移転です。
①入居時の内装工事費や、家具や設備・備品などのコストを大幅に抑えられる
②レイアウトや内装工事、什器の選定など内装業者との打ち合わせ時間を削減できる
③業務開始を急いでいる場合には時間短縮に繋がる
④セットアップオフィスとは異なり相場並みの賃料で入居が可能
※20坪~50坪程度のオフィスの場合は前テナントと似たレイアウトになるケースが多いです。受付や会議室、廊下などの配置はだいたい同じようなレイアウトになる可能性が高いため、居抜きオフィスを選んだ方がコスト削減に繋がったり、業務開始までの時間や手間も省けたりと、大きなメリットを得れることでしょう。
①希望している内装やレイアウトが出会えるかは運とタイミング次第
②「居抜き」物件の検討期間が限られる(前テナントの原状回復工事発注のデッドラインまでが勝負)
③居抜きで募集している物件の絶対数が少ない
④凝った内装造作を施していた場合、原状回復費用が大きく膨らむ可能性がある
※居抜きはいわば一期一会。通常のオフィスに比べ数が少ないため、気に入った物件があれば、早めに決断するのがおすすめです。居抜きオフィスとして契約した場合でも、基本的に借主は退去時に原状回復する必要があります。入居時には費用を抑えることができますが、将来発生する費用についても事前に確認しておくことが大切です。入居前にどのくらい原状回復費用が必要なのか見積りをとっておくのが賢明です。
①退去時の原状回復工事費用やオフィス家具の処分費用などを大幅に削減できる
②原状回復工事が不要なので、契約終了期限ギリギリまでオフィスを利用できる
③早期に退去する場合、解約予告期間の残存期間を短縮できる可能性がある
④無駄な廃棄物を無くすことでSDGsに繋がる
※最大のメリットは「原状回復費用の削減」ではないでしょうか。退去時は原状回復義務があるため、原状回復費用を支払って工事を行う必要があります。しかし、居抜きで退去することができれば、原状回復費用を削減できた分のコストを移転先の内装費用に充てられます。また、例えば後継テナントが入居を急いでいる場合には、貸主と協議し合意解約すると残存賃料の削減も出きる事例もあります。
①居抜きは小規模面積向きで、100坪以上の大型面積の居抜きはマッチングしない可能性がある
②解約を出した後に居抜きで後継テナントを探すと、募集期間が限られてしまう
③内装や什器など引き渡しの状態や責任の所在を明確にしないとトラブルに繋がる恐れがある
④後継テナントが見つければ居抜きで退去する旨を貸主に了承を得る必要がある(ダメなケースも)
※大前提として貸主に居抜き退去を認めてもらう必要があります。解約を出してから貸主に了承を得ようとすると、居抜き募集の期間も限られてしまい、もったいない時間を過ごす羽目に。また、大規模面積や趣向を凝らした造作になると、業種・業態で会議室や執務スペースのレイアウトが様々で、なかなかマッチングせずに合意しないケースも考えられます。
最近では、エントランスや応接室などを中心に内装にこだわったテナント様が多くなりました。来訪者に見えるスペースだけではなく、執務スペース内の会議室でもガラスの間仕切り壁を使用されたり、フリーアドレスや集中ブースを設けたり、従業員向けにリフレッシュスペースを設けたりと、様々な趣向を凝らしたオフィスが増えたと感じます。ここ数年、資材や物価の高騰により内装コストも数年前と比較して2~3割はUPし、想定以上の費用が掛かっています。また以前に比べ、ビルオーナーも環境配慮や入居テナントの間口を広げれるので、居抜きを受け入れるケースも増えてきました。「居抜きオフィス」は端的に言うと、退去する側は出来るだけ退去費用を削減して移転先の方に投資できる、入居する側は内装コストを含めて初期費用を抑えれることが魅力ですし、お見合いと一緒でマッチングできなければ成立しません。可能性や一つの選択肢として検討されるのも良いかも知れません。
居抜きオフィスを探したい。居抜きでオフィスを退去したい。
そんな場合は、やはり弊社のような賃貸オフィスを専門とする仲介業者にご相談下さい。
お問合せの際には「オフィシルマガジンの居抜き記事を見て」とお伝えください。
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