オフィスのコスト削減移転のススメ

閲覧数:13     2025年10月8日更新
タグ: コスト削減

値上げ交渉に直面した今こそ、現実的な選択を。

全国的に、都市部のオフィス賃料値上げが相次いでいます。
入居ビルから賃料の値上げ交渉を受けた企業様、またはオフィス移転によるコスト削減を検討されている経営者の方に向けて、現実的な選択肢と判断基準をお伝えします。

はじめに

近年、都市部のオフィス市場は大きく動いています。新築ビルを中心に賃料相場の上昇は明らかで、その勢いは地方主要都市にも波及しています。
さらに、原状回復費用や内装費用といった移転コストも高騰傾向にあり、従来のように「高いから出る」という選択が簡単ではなくなっています。
とはいえ、貸主からの値上げ交渉をそのまま受け入れるのも、経営判断として悩ましいところ。本記事では、そうした経営者の方に向けて、現実的なコスト削減移転の考え方をお伝えします。

厳しい現実

まず知っておくべきは、「貸主の値上げ交渉は、根拠のあるケースが多い」という点です。
オーナー側も周辺ビルの賃料水準を把握しており、単なる“言い値”ではないことがほとんどです。

もし今お使いのオフィスが好立地かつ一定以上のビルグレードである場合、「同等条件で今より安い物件」は、実質的に存在しません。

仮に移転先が見つかったとしても、移転には「原状回復費」「内装工事費」「移転諸経費」といった初期費用がかかるため、結果的に「移転する方が高くつく」ことも多いのが実情です。

移転コストの現実

オフィス移転における主なコストは次の3つです。

1.原状回復費用: ビル仕様や内装の作り込み次第では、非常に高額になるケースがあります。

2.内装費用: 会議室・受付・造作などを整えると、数十万円/坪に跳ね上がります。

3.その他(引越費用、什器購入費など)

例えば、原状回復費と内装費を合わせて坪60万円と仮定すると、50坪のオフィスで約3,000万円の初期費用が必要です。
一方、賃料が5,000円/坪値上げされた場合の年間上昇分は約300万円増。単純計算で10年分の賃料差額を、初期費用で先払いすることになります。この数字を見ると、「簡単に移転で節約」とはいかないことが分かります。

現実的なコスト削減移転の方法

コストを下げる方法は基本的に次の3つしかありません。

1.面積を削減する

コスト削減効果は最も大きいものの、最も難しい方法でもあります。
面積を半減できるほどの改革でなければ、効果は限定的です。
「リモートワークをどこまで許容するか」
「共用スペース利用やフリーアドレス化を進めるか」
「会議室を減らし、貸会議室利用に切り替えるか」
こうした経営判断が必要で、業務運営そのものの見直しが前提となります。
仲介会社として他社事例の紹介やレイアウト提案、変則的な方法としてレンタルオフィスやセットアップオフィスの活用など、様々な提案も可能ですが、この領域は企業の文化や方針に深く関わる部分です。
慎重に検討されるべきでしょう。

2.ビルグレードを下げる

比較的現実的な選択です。
たとえば梅田エリアでは、Sランクビルが坪4万円前後。
これをBランク以下に切り替えることで、3万円〜2万円程度まで抑えることが可能です。
ただし、現在すでにBランク以下のビルに入居している場合は、「これ以上グレードを下げる=設備や管理品質の低下」を意味し、従業員満足度や採用面に悪影響を及ぼすリスクもあります。
また、オフィスの密集エリアでなければ、そもそもビルグレードの選択幅が限られていることも多いため、この方法自体が思うように取れない場合もあります。

3.立地を変える(最も現実的な方法)

立地を見直すことは、最も柔軟かつ効果的な方法です。
「立地」とは、駅からの距離とエリア(地域)の両方を指します。
例えば駅直結が3万円/坪~4万円/坪が相場であれば、駅徒歩5〜10分なら2万円/坪~3万円/坪と、徒歩距離だけで数割の差が生じます。
また、同じ市区郡の中でも、エリアを変えることで、賃料の水準は大きく変わってきます。

賃料相場という言葉は、単純な「平均賃料」だけで判断すると誤る可能性があります。

【平均賃料だけでは見えない落とし穴】
新築ビルが次々と建てられているエリアでは、そのエリア全体の平均賃料は当然上がります。しかし、それは築浅の物件の比率が高まったことによる押し上げ効果かもしれません。

賃料を比較検討する際は、仮想的に「同条件のオフィスビルをAエリアとBエリアに建てたとしたら、それぞれいくらで貸せるのか」という、真の意味でのエリアの賃料水準を把握することが重要です。

【ビルグレードと物件数の関係も重要】
もうひとつ見落とされがちなのが、「そのエリアにどれだけ対象となるビルがあるか」です。
賃料は安いエリアでも、ビルの絶対数が少ないと、そもそも希望の面積やグレードに合う物件が出てこないケースがあります。
「賃料は安いけれど、希望に合う物件が出てこない」という状況も珍しくありません。エリア選定では、物件数の豊富さも重要な判断材料になります。

これらの点を踏まえると、コスト削減を目的とした移転先の検討では、次の条件を満たすエリアを探すことがポイントとなります。

・現オフィスよりも相場が安いこと

・オフィスビルの棟数とラインナップが豊富であること

単に「賃料が安いエリア」ではなく、希望条件で選択肢の多い安いエリアを探すことが、コスト削減移転を成功させる鍵となります。

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