初めてオフィスを借りるときには、賃貸オフィスの更新料や契約期間はどのようになっているのか知りたい人も多いのではないでしょうか。更新料の法的な有効性を巡っては、賃貸住宅の場合では、過去に裁判で争われたこともあります。契約期間が満了するとき、オフィスの移転を余儀なくされることもあるのでしょうか。賃貸オフィス契約での更新料や契約期間について解説します。
賃貸住宅では関東圏では家賃のほかに、敷金と礼金が1~2カ月分ずつ、仲介手数料が1カ月で、更新時には更新料を1カ月分支払うのが一般的です。関西圏では、敷金とほぼ同じ意味合いの保証金から、あらかじめ一定額を返還しない「敷引」が特約として盛り込まれることもあります。
一方、賃貸オフィスでは敷金よりも、保証金として6~12カ月分支払うケースが多く、償却費として退去時に10から20%が引かれることもあります。更新料は1カ月分とするケースが多いですが、賃料の改定がある場合には、新賃料での支払いとなるのか契約条項をチェックしておきましょう。
賃貸オフィスの契約期間は、2年間とされることが多いです。契約期間の上限は法律による制限はありませんが、普通借家契約の場合には1年未満の契約期間とすると、「期限の定めのない契約」とみなされます。契約期間の満了にあたって、借主が更新を希望すると、オーナー側は正当な理由がある場合を除いて拒否することはできません。
一方、2000年に借地借家法の改正によってできた定期借家契約の制度では、1年未満の期間の契約も認められています。定期借家契約では普通借家契約と違い、「更新」というものはありません。オーナーは契約満了をもって物件の明け渡しを求めることが可能であり、借主との双方の合意によって引き続き貸借する場合には、「再契約」を結ぶことになります。
借主が契約期間の満了の際に更新を希望する場合には、普通借家契約ではオーナーとの合意によって、契約を更新することが可能です。合意条件は借主が不利なものとすることはできません。
では、普通借家契約でオーナー側が更新を拒んだらどうなるのでしょうか。
普通借家契約の場合は、前述のように正当な理由がない場合にはオーナー側は拒否できないため、契約の更新の手続きが行われなくても、「法定更新」となります。法定更新によって期限の定めのない契約となり、法律的には更新が行われたため、借主は更新料を支払う必要がなくなります。ただし、契約書に法定更新の際にも更新料を支払う取り決めがある場合には、更新料の支払いが必要です。
契約更新時に支払う更新料を含む契約は法律的に有効なのか、疑問を持つ人もみられますが、裁判所はどのような判断を行っているのでしょうか。
建物の賃貸契約の更新料を巡っては、賃貸住宅の借主が起こした裁判で高等裁判所では消費者契約法に反することから無効という司法判断もされてきました。しかし、2011年7月の最高裁判決で、「更新料が契約書に明記されて借主と貸主が同意している」、また、「更新料が高額でない」場合には消費者契約法に違反しないとの判断が下されています。
さらに、賃貸オフィスの契約はそもそも消費者契約には該当しないことからも、賃貸オフィスの更新料の特約条項を含む契約は、法律的に問題がないものとされています。
オフィスの賃貸契約でも一般的な普通借家契約では、オーナー側に正当な理由がある場合を除くと、賃貸契約が更新できないことはありません。契約によっては更新料の支払いが必要ですが、契約更新によってオフィスを使い続けることができます。ただし、最近では定期借家契約も増えてきていますので、契約の違いを理解しておきましょう。
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