日ごろオフィスビルを眺めていて、構造について考えることは少ないのでは。オフィスビルの構造は、鉄骨構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造が主流です。オフィスビルには、構造によってどのような違いがあるのでしょうか。業務形態にあったオフィスを選ぶために、構造という視点から、入居するオフィスの選び方をみていきましょう。
オフィスビルでは柱が多いとレイアウトの自由度が下がり、魅力的な空間にならないことから、柱のスパンを飛ばして大空間とできる構造が好まれます。そのため、マンションではよくみられる鉄筋コンクリート造よりも、オフィスビルでは鉄骨構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造が一般的です。「鉄骨」を使用する構造の鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート構造では、柱の間隔を広く開けることができ、鉄骨鉄筋コンクリート構造では鉄筋コンクリート構造よりも梁や柱の出っ張りを抑えることができます。
木構造は商業地での耐火性の問題や、構造上必要な耐力壁を設置するため、大空間をつくることが難しいため、小規模なものを除いて、オフィスの構造としては向いていません。
ここまでに挙げた、木構造、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造とはどういったものなのでしょうか。
木構造は、構造上の主要な部分である柱や梁、壁、床に木材を使用した構造です。日本の木造住宅は木造軸組み構法、あるいは、在来工法といわれるものが主流で、柱と梁、筋交いなどの耐力壁で支える構造です。
鉄骨構造はS造ともいい、主要構造部が鉄骨で構成され、オフィスビルでは柱と梁で支えるラーメン構造が一般的です。
鉄筋コンクリート構造はRC造ともいわれ、鉄筋とコンクリートで構成された構造です。コンクリートの圧縮力への強さと、鉄筋の引っ張り力への強さという性質を組み合わせています。壁式構造は壁量が必要となるため、オフィスビルではラーメン構造が用いられます。鉄筋コンクリート造は、火事に強いのが特徴です。
鉄骨鉄筋コンクリート造はSRC造ともいい、鉄骨と鉄筋とコンクリートで構成されています。鉄筋とコンクリートに鉄骨を組み合わせたことで粘り強さが増し、地震にも火事にも強固な構造です。鉄骨鉄筋コンクリート構造と鉄筋コンクリート造は、オフィスビルの外見からは判断が難しいです。
オフィスを借りる側にとって、鉄骨構造と鉄骨鉄筋コンクリート構造の違いの一つとして挙げられるのは、賃料の違いです。
鉄骨構造と鉄骨鉄筋コンクリート構造では、鉄骨構造の方が建築コストを抑えられることから、賃料にも反映され、立地条件や築年数などが同条件であれば、鉄骨造の方が賃料が安い傾向です。また、鉄骨構造の場合、外壁にALC(軽量気泡コンクリート)板を使うことが多く、重厚感は出にくいです。
新しいビルに入居したい場合は、同エリアで比較するなら鉄骨構造のオフィスビルが比較的安く借りられます。ただし、鉄骨構造は地震の際に鉄骨鉄筋コンクリート造よりも揺れやすいため、精密機械を扱う業務形態では向いていないとされています。また、ブランディング戦略で入居するオフィスビルに重厚感を求める場合には、鉄骨鉄筋コンクリート構造を選ぶとよいでしょう。
実際にオフィスを借りるときに、オフィスビルの構造を意識する人は少ないかもしれません。オフィス探しでは構造を重視する必要性はあまりありませんが、柱のスパンや位置はレイアウトに大きく左右します。専有部分の広さだけに目を向けず、デスクなどの家具をレイアウトしやすい間取りの物件を選ぶように、留意しましょう。
賃貸オフィス総合情報サイト「 officil 《オフィシル》」は、都内ビル物件情報の掲載数はNo.1!
賃料10%キャッシュバック! · ご成約するまで完全無料! · 実績多数のスピード対応!