淀屋橋エリアは、大阪の主要オフィスエリアの中でも、梅田に次ぐエリアとなっています。路線の数や人口、単純な規模において梅田エリアには及びませんが、純粋なオフィスエリアの純度としては、淀屋橋こそが大阪の中枢と言っても過言では有りません。東京においては大手町や日本橋のように、歴史ある大手企業や、金融機関のオフィスが集積しています。
特に大阪の大動脈である御堂筋沿いには、大阪を代表するオフィスビルが立ち並びます。
淀屋橋エリアの賃料相場は、大阪においてもトップクラスです。2025年3月現在、淀屋橋エリアの中で最も賃料が高い物件で、坪単価3万円台半ば(共益費込み)を記録しています。長らく3万円の壁を突破できる物件は有りませんでしたが、再開発と、梅田が大阪の賃料相場を引き上げたことから、淀屋橋においても物件によっては3万円を超えるようになりました。
中にはリーズナブルな物件も存在しますが、坪単価2万円前後が一般的で、1万円台前半で確保しようとした場合、駅からの距離や竣工年数、設備面など、ある程度妥協が必要になって来ます。
やはり、オフィスを構える立地による企業のブランド力向上を目的とされるご移転先として、淀屋橋エリアはオススメです。
特に、いわゆる硬い企業イメージや、老舗の企業イメージを大事にされたい企業にとってはオススメです。
リクルート面においても、やはり梅田が一番人気では有りますが、梅田のランドマークタワーは、グランフロント大阪やJPタワー大阪、阪急阪神シリーズなど、いずれも商業とオフィスの複合ビルとなります。また、多くに人間が出入りするため、ビジネスワーカーとカジュアルウォーカーが混在します。
その点、淀屋橋エリアはオフィスエリアとしての純度が高いため、出歩く方もビジネスワーカーが主です。
主要なオフィスビルにおいても、複合ビルは比較的少なく、純粋なオフィスビルが多いため、出入りする人間もビジネスマンが主となります。
ですので、落ち着いた環境でビジネスに集中されたい企業にとっては、淀屋橋エリアがオススメと言えます。
下記は上記で触れたような純粋なオフィスビルとして、淀屋橋エリアを代表する賃貸オフィスビルです。
勿論淀屋橋エリアにおいても、商業とオフィスの大規模複合ビルは存在します。
特に、淀屋橋駅直結の三井のODONAを要する淀屋橋三井ビルや、駅直上の再開発(通称淀屋橋ツインタワー構想)により、2棟のランドマークタワーは、淀屋橋の一般認知度を高める牽引役になることが期待されています。
通称:淀屋橋ツインタワー構想の東棟です。
通称:淀屋橋ツインタワー構想の西棟です。
淀屋橋の未来を象徴するプロジェクトとして、「淀屋橋ツインタワー」構想が挙げられます。
このプロジェクトは、淀屋橋駅直上に2棟の高層ビルを建設し、オフィス、商業施設、ホテルなどを一体的に開発するものです。
ツインタワーは、淀屋橋の新たなランドマークとなり、国内外から注目を集めることが期待され、梅田一強に一石を投じられることが期待されております。
ただし、御堂筋を歩行者天国にしようという構想と併せて、銀座のような観光客も押し寄せるごちゃごちゃした街を目指しているのでは? と、マイナスなイメージを持たれている人も多いのが現実です。筆者もどちらかと言うとネガティブで、商業色も混在する梅田や難波・心斎橋と、ビジネス色の強い淀屋橋・本町とは、上手くすみ分けて欲しいと考えています。
東京の街に例えた場合に、淀屋橋はやはり銀座ではなく大手町を目指して欲しいところです。もしくは丸の内のような、ビジネスの中心地でありながら、落ち着いた商業地としての雰囲気が醸し出せればなお良いと思います。
※なお淀屋橋ツインタワー構想は、あくまで通称であり、2棟は全く別のオーナーによる別事業となります。
街の雰囲気や、立ち並ぶビルのラインナップ、そして賃料相場から、淀屋橋エリアはスタートアップには向かない立地と言えました。
大規模なビルの合間を縫うように、小型のオフィスビルも少量ながら存在します。また、土佐堀通り沿いには小さなペンシルビルもいくつか存在します。
しかし、決して賃料相場が安く無いのと、物件数自体が決して多くは無いため、あまりスタートアップに向いたエリアとは言い難いと言えます。
ただし、昨今ではスタートアップに最適なレンタルオフィスが増えて来ています。
特に注目なのは下記の2物件で、そのうちの1つは上記で触れた淀屋橋ツインタワー構想の東館(淀屋橋ステーションワン)にオープン予定のレンタルオフィスです。
御堂筋に面した大規模ビルの中に、2025年にオープンしました。
淀屋橋は、歴史ある大阪のビジネスエリアの中心地。
ハイグレードなオフィスビルが多く、賃料相場も梅田の次に高い。
企業ブランド向上に繋がるオフィス移転を検討されている企業に特にオススメ。
商業色も強い梅田と違い、歩いている人のほとんどがビジネスマンと、ビジネス色の強い落ち着いた環境。
ただし、淀屋橋ツインタワー構想や、御堂筋の歩行者天国化などにより、将来的には銀座のような街になる可能性もある。